アイランド(Island)ヘレナの記録 座標・内容まとめ
テイムされた生物の食習慣は、野生のそれと比較したときに特筆すべきことは何もない。
これはビーストクイーンの行いによる部分もあるだろう。彼女は訓練のために彼らを連れて狩りの旅に出ている。
不思議なことに、付近には十分な数の獲物がいるため、彼らは遠方まで足を延ばす必要がない。
この事実は、彼女が飼い慣らしている生物の並外れた出生率と成長率とは直接関係していないところもまた珍しい。
そうだ、ついに彼女の名前を教えて貰った! メイ・イン・リー。心なしか彼女からの当たりも
少し柔らかくなってきた気がする。思えば彼女の動物たちの排泄物を調査していた
私の第一印象が悪かったのだろう…
驚くべきことにメイ・インの動物たちは絶対に喧嘩をしない。
動物園でそれぞれの動物を分けて飼っているのには理由がある。何世代にも渡り飼い慣らされてきた
犬や猫であれば珍しくはないが、本能を抑えることができる動物は稀で、これだけ多様性があれば
何らかの争いは起きるものだ。
さらにメイ・インは草食動物の群れさえも自身の軍隊に加えている。彼らの分厚い皮膚は火や爆弾にも
優れた耐性がある。肉食動物に囲まれていても、彼らが攻撃されることはない。どういうことだ!?
メイ・インは本当に素晴らしい。彼女は動物たちをしっかり訓練し、面倒も良く見ている。
黙っていたり、私が小難しい話をしない限り、彼女は楽しい人間だ。話が通じていないように
感じるときもあるが、とにかく良い息抜きになる。
メイ・インの野営地で書き残したことを読み返してみた。その結果、この島の動物は人に
慣れているだけでなく、捕らわれることにまるで抵抗がないことが分かった。
彼らは驚くべき速さで成長するが、その習性を見る限りでは、少なくとも何十年もかけて定期的に訓練を受け、
飼い慣らされてきたようだ。そうでなければ、野生動物が人間の気まぐれにこれほど従順であるはずがない。
そう考えてみると、この島が誰かの監督下にあるという私の仮説にも真実味が帯びてくる。
野生動物を単に管理しているだけでなく、遺伝子を操作して新たな種を作り出している可能性もある。
しかしこの説をロックウェルの耳に入れる前に、例の噂話の真偽を検証しておかなければならない。
予想通り、ロックウェルは私の仮説を否定できなかった。しかしそれを認めたわけでもない。
率直に言って、彼はこの件について無関心にしか見えなかった。
それ以上に、最近は島のオベリスクに興味があるようだ。
よりにもよってロックウェルは、探索中にあのそびえ立つ遺跡と交流する方法を偶然見つけたようだ。
かつての冒険家魂が、再び彼の中で燃え始めたということか。彼の年齢を考慮すると、それは驚くべきことだ。
よくよく考えてみると、オベリスクは私自身の発見と何かしら関係があるのかもしれない。
その特性はずっと謎のままだったが、ロックウェルの頭の中にはいくつか興味深い
考察があるようだ。私も研究を続けよう。
私はまだ生きている、それだけじゃない、メイ・インもだ。それどころか、私を解放してくれたのは彼女だった。
そして私たちは、洞窟のポータルを使って、ネルヴァを追跡することになった。
そこで待ち受けていたのは恐ろしい光景だった。ネルヴァの仲間たちは全員死んでおり、1匹の奇妙な
巨大生物と共に死体の山を築いていたのだ、だがネルヴァの死体はそこにはなかった。
私は自分の仲間たちのことを考えずに、彼を見つけたら平和的な方法を取ることを提案した。
その結果、強烈な一撃を食らうことになったのである。
ここに来てからステーション全体を調べたが、メイ・インとネルヴァの血痕が少し見つかっただけだった。
死体はない、勝者もいない。
だが実に驚くべきものを目にすることになった。それは一瞬の出来事だった、私は宇宙ステーションのような
ところにいたのだ、だが窓から外を見たとき、それ以上に驚くことに気付いたーー
私ずっとその宇宙ステーションの中にいたのである。
窓の外に浮いている機械に囲まれているその場所こそが、私の住んでいた島だった。
そこもやはり、未知の惑星の遥か上空の軌道上にあった。その島の生態系は管理されていただけではなかった、
完全にゼロから作られたものだったのだ!
それにしても、誰が何のためにこんなものを作ったのだろうか? 今のところ何の手がかりも見つかっていない、
だが必ず見つけてみせる。必ず真実を見つけてみせる。